上半身完成!私は鎧兜職人?
7月の目標は上半身を刺しあげることでした。
今日は7月31日。目標なんとか達成です。(投稿する日は8月になりそうですが)
まずはタイトルでもあるレンゲショウマ。
これね、実は少し苦労がありました。
最初はこんな感じだったんです。右手に持っているお花の蕾部分、なんだか葉っぱっぽい?
そこで一つ刺し方を変えて比べてみました。
下の方がやっぱり蕾でしょ。
上は乱れさし縫い、下は縫い切りで切り押さえという手法を使用しています。
私は乱れ刺し縫いが大好きでグラデーションがあるものはすぐこの手法を使いたくなります。
でもね、今回このお花にはふさわしくない・・・・。
レンゲショウマは滑らかな花びらの可憐な山野草です。いくら好きな手法でも効果的ではありません。
これこそ前回のブログで書いた『効果的でなければ、美しくなければ使う意味がない』ということなのですね。
腑に落ちました。
ところで正直な話、レンゲショウマは咲いた花が下を向くしとやかなお花です。けれど、この作品ではあえて、というか無理やり上を向かせています。だって息子の幸せを願っての作品ですから。多少のフィクションはお許しください(>人<;)
こちらの画像はお花を持つ右手側です。お着物の右袖は鱗模様。繁栄や成長、自由を象徴し魔除けや厄除けの意味があるそうです。
さらにお花を包むのは松葉模様の布。松葉は落ちても2本の葉の元がバラバラにならないところから離れ離れにならない、夫婦円満の意味もあるのだとか。
最後の画像は左側。
兜の吹き返しには瑞雲、前立にはとんぼ、着物の左袖ではなく、弓籠手といわれる多分鹿革の印伝の模様も同じくとんぼ。鳩尾の板には稲妻、そして籠手の装飾は金色の蝙蝠!
苦労、というほどではないのですが、大袖の表現が大変でした。五月人形の写真を見て、ほ〜、この紐でかがられた段々はこうやって繋がってるんだ〜と刺繍ではなく、まるで鎧職人さんになったような気持ちでした。
なんだかずいぶん鎧兜装束に詳しくなってしまいました(^^)
この最後の画像はインスタにもアップしたのですが、あるフォロワーさんに『動き出したくてうずうずしているように見えます』とコメントをいただきました。
本当にそうだったら楽しいな、と思います。さあ、下半身を始めます。
日本刺繍作家:石原 英(Hanabusa Ishihara)