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私にできること

鳥のように羽根があれば、翼があれば良いのに。

魚のようにエラがあればいいのに。

それなら水の中でも、空にでも逃げられるのに。 

 

天災がある度、目を覆いたくなるような報道を見ていつもそう思っていました。

今回は天災ではなく、戦争。

日々TVに映し出される荒れ果てた街や逃げ場もなく泣き叫ぶ人々。

けれど私はそばに行って一緒に泣くことすらできない。

なんにもできない。

今回はどうしても自分の気持ちを吐き出したくてこんなブログになりました。

私の作品の上に置いた赤白二つのクラッチはタトリーズさんから購入したパレスチナ伝統刺繍作品。

パレスチナのガザのアトファルナろう学校で職業訓練を修了した女性やレバノンの難民キャンプの女性のお仕事だとのこと。彼女たちの現在の平穏を強く強く願います。

今日のニュースではどうやらイスラエルは停戦に合意しそうで、少しだけ心が軽くなりました。

白は2018年に、特にフェアトレードを意識した訳ではなく、ただデザインに惹かれて購入しました。美しく正確な手仕事に作り手の誇りを感じました。とても気に入ってファッションアイテムの一つとして大切にしています。

赤は今回、大慌てで購入しました。(これは実は2年ほど前から気になっていた商品です)

微力だけどパレスチナのための募金になる、との思いからです。

なんとも立派な行為のようですが、単純に、ちょうど欲しかったものを手にいれる良い機会でもありました。そしていつでもいいかな、となんとなく思っていましたが、今しなくちゃ、という思いに駆られました。

難民の作品だから、という視点ではなく、今回の私のように素敵なものだから欲しい、という点がとても大事だったと思います。作り手は自己実現を望めますし、学び、プライドを持つことができます。買い手も満足して次の商品を心待ちにできる、というプラスの循環となります。

もちろん、しのごの言わずに困っている人に手を差し伸べるのはごく当たり前で自然なことだと思っています。今回の戦争を見て、胸を痛めない人はいないでしょう。あまりの残酷さに傍観すら辛いくらいです。

とにかくこういったサイクルを導き出し、実際に運営してくださっているタトリーズさんなどのNPOの活動には本当に敬服します。なかなか個人では勇気を出すこと、行動することは難しいです。しなくちゃいけないことは分かっているのですが.........。

ところで、二つのクラッチは色違いでダマスカスローズと羽根のモチーフだとか。

ローズは美や愛、羽根は自由を象徴しているのかもしれません。

そして、それを享受するためには平和である事が大前提です。

さらにそれはすべての人々、すべての世界で保証されるべきものだと思います。

日本刺繍作家:石原 英(Hanabusa Ishihara)

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